ご挨拶
初代日産厚生会医学研究所長の栗原先生の後を引き継ぎ、2023年6月より研究所長を拝命いたしました。2013年12月に内閣府より公益財団法人として認定を受け、日産厚生会が公的機関となったことを受け、2014年4月に医学研究所が設立され、はや10年弱の歳月が流れました。公益財団が学術、技芸、慈善その他の公益に関する事業において、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与する役割を持つという性質上、日産厚生会に属するすべての職員の皆様による自発的、発展的臨床並びに基礎研究の成果を社会に還元することが求められています。
初代所長の栗原先生は、初期研修医の院内発表会や日産厚生会医学フォーラムといったユニークで画期的な会を催され、厚生会の医学的発展に大きく貢献されてきました。このような大きな業績の後に跡を継いだ私としては、若干荷が重く感じておりますが、これまで築かれた土台をもとに更なる発展を目指して頑張る所存であります。
振り返れば昨年は270題を超える発表が厚生会全体でなされたと聞いております。しかしながら、その一方で論文化されたものは多くはありません。成果は紙面に残してこそ、世の中に周知され価値が出て、真の意味での社会貢献となるものと考えます。
また本年4月より玉川病院では、これまでの臨床センターが臨床および研究センターとなり、ますます研究に力点を置いた体制となりました。そこで私の使命としては、これらセンターには更なる高度な医療提供のための積極的な研究・発表の場の提供体制を構築するとともに臨床研究の芽を育ててゆくことであると認識しております。研究の種、疑問は普通に臨床をしていれば、いくらでも転がっています。臨床の現場でのちょっとした疑問がまずは研究のきっかけとなります。そして職員の方々にはこの疑問をひとつずつ解決することの楽しみを見出していただけるような配慮もしてゆきたいと思っております。楽しくなければ研究ではないというモットーのもとに微力ながら貢献してゆきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
日産厚生会 医学研究所所長 松原正明